筆者は麺類が好きである。
その中でもとりわけラーメンが好きだ。
「ラーメン」と聞くと何故かワクワクしてしまうほどである。
関東近辺を飛び回ることが多いので、ランチといえばラーメンばかりを食べ歩いたものだ。
勢い良く三食ラーメンなんて日もあった。
ところが、数年前から筆者のラーメン食べ歩きツアーは、止まってしまった。
「自分の食生活が地球温暖化や世界の飢餓問題と密接に関係している」
そんな事実を知ったからである。
平和な日本に住んでいるので、世界のことは忘れてしまいがちだが、世界の状況は実に大変なものだ。
戦争、貧困、餓えに苦しむ人々。
自分とは関係ないと思っていた世界が、自分の生活と密接に関連しているという。
ラーメンを控えようと思ったのは、そのスープにも、具材にも、環境に優しくない肉を使っていることがほとんどだからである。
たとえ、かつおや昆布でだしをとっていても、チャーシュー抜きのラーメンは少ない。
動物食の問題については、以前書いたとおりだが、この動物食による環境の悪化は、そのまま資源の争いや戦争へと発展していく。
もちろん、必ずそうなるわけではないが、その可能性はかなり高いといえる。
問題なのは、多くの人が自分の食生活がもたらす弊害、未来への影響を知らないことである。
ラーメンは、うまい。
チャーシューも、うまい。
しかし、現状、巷に溢れるラーメンは持続不可能な食べ物であり、地球や人間にとって幸せな食べ物ではない。
「この持続不可能な食生活を維持したい」
人々がそう思っているかぎり、ラーメンからチャーシューがなくなることはなく、世界の未来は正直暗い。森林は伐採され、メタンガスや二酸化炭素は増え続けることになるだろう。
したがって、読者が子どもたちに明るい世界を残したいのならば、まず肉食を控えていかねばならない。
全くやめるのが難しくても、少しずつ減らしていかなければならないのである。
それは、ラーメンからチャーシューがなくなる日を夢見る、馬鹿げた話に聞こえるかもしれない。
だが、筆者の考える最高のライフスタイルとは、決して贅沢な暮らしではない。
むしろ、これまでよりも質素・倹約のススメになるだろう。
別にラーメンを減らしたからとて、不幸が訪れるわけではないのだ。
他に美味しいものはいくらでもあるし、幸せもたくさんある。
筆者は、次世代のために、ラーメンを控えて別の幸せを見つける選択が正しいと思う。
ちなみに、人間の行動学的には、いきなりやめるのではなく、代わりになるものを探すとよいらしい。
そんなわけで、筆者は、ラーメンを控えて蕎麦を食べるようになった。
世の中の皆さん、ラーメンより蕎麦を食べよう。
健康にも環境にも良いではないか。