去年の流行語大賞の一つに「今でしょ!」という言葉がありました。
昨年の前半はこの言葉が日本全国で使われていたのではないかというくらい耳にしたものです。
たしかに印象的な「今でしょ!」の言葉。
実は、ここに一つの隠れたる真理があるのです。
真理というと大げさに聞こえるかもしれませんが、「今を生かすものは人生を生かす」といわれています。
吾々は過去や未来に生きることはできません。
常に今を生きているはずなのです。
しかし、ついつい今を生かさず、殺してしまうことが多いのではないでしょうか。
過去のことを思い煩い、未来を心配してしまう。
今やるべき事に集中していない。などなど。
今を生きていないと感じる瞬間は多いものです。
しかし、吾々が良き運命をつくり、良き人生をつくっていくためには、どうしたって今を生きなければなりません。
今を生かすものは、人生を生かす。
今を生きるものは、必ず成長する。
塾の講師が何を思って「今でしょ!」と言っていたのかは知りませんが、今を生かせば勉強にしろ仕事にしろ上手くいくものなのです。
「今でしょ!」をただの流行言葉にせず、常に自分が今を生かしているのか。
過去や未来を思い煩っていないか。
しっかりと今に集中しているか。
自己反省してみることは、とても大切なのです。
「今」を生かせ
人ひとたび決意したる以上は、決して退くべからず、決して躊躇すべからず、「今」すぐ着手すべし。一分間を争うなり。今、夏だと思っていても秋が来る。「今」して宜しき事も一分後には悪しきことあり。今踏切を渡れば安全なるに、一分間のちには汽車にひかれることあり。今日すべき事を明日に延ばすな。明日には明日の使命がある。冬に樹の葉落ちるも冬の「今」を生かしているのであって、決して懶けているのでも延ばしているのでもない。着々として春咲くべき花の用意が整うているのである。
(『新版光明法語 道の巻』P.55より)