「iPhone5が6月発売!」という噂が騒がれているのをよそに、新型iPad(第3世代)で導入された「4G(LTE)」について書いておきたい。
この新型iPad(第3世代)の4G-LTE、仕様を見ると、「700MHzと2100MHzのFDD-LTE」に対応していると書いてある。
先日発表のあったソフトバンクが対応予定のLTEは「2100MHz」で、docomoのXi(2100MHz)と同じものだ。
そのため、筆者は先日の発表を聞いて、てっきり使えるものだと思っていたのだが・・・、どうやら違うものらしい。
つまり、docomoのXiも先日紹介したソフトバンクのLTEも、新型iPad(第3世代)では使用できない周波数なのだ。
どういうことかというと、Wikipediaを見てもらうと分かるように、LTEの周波数帯は全部で43ある。
その中で、2100MHzというのは2つ存在する。
LTEバンド1 → 2100MHz → docomoやソフトバンク(予定)が使うもの
LTEバンド4 → 1700MHz/2100MHz → アメリカのAT&Tモビリティが使っているもの
以上の2種類である。
筆者は新型iPad(第3世代)の仕様表記に「2100MHz」とあるのだから、当然上記2つのうち「LTEバンド1」のほうだと思っていた。
しかし、今回の新型iPad(第3世代)の対応周波数2100MHzは、「LTEバンド1」ではなくて「LTEバンド4」
要するに、アメリカのAT&Tモビリティが使っている周波数らしいのだ。
したがって、docomoのXiでも、ソフトバンクが対応を予定しているLTEでも、新型iPad(第3世代)の4G-LTEを使うことは出来ない。
「2100MHz」と書いた場合、普通は「LTEバンド1」を意味するので、何故Appleがこの表記にしたのかはよく分からず、勘違いを招きやすい表記だと思う。
実際に間違えた人も多く、筆者も申し訳ないことに勘違いしてしまった。
ともかく、現状の日本のLTEは、新型iPad(第3世代)で使えないわけである。
「新型iPad(第3世代)では使用できない」というのがはっきりした以上、筆者にとってソフトバンクの「FDD-LTE」はますます魅力がないものとなった。
筆者はWiiMAXを使うのでそれほど関係ないのだが、期待していた人にとっては残念な結果といえる。
新型iPhoneのLTEはどうなるか
さて、そうなると気になるのは、
「新型のiPhoneがどうなるか」
だろう。
iPadがだめなら、せめてiPhoneで対応して欲しい。(という人が多いと思う)
iPadの流れからLTE対応になるのは間違いないのだが、iPadと同じ周波数だと、今回のように未対応の国が多発する。
とはいえ、様々な国に対応するために、複数仕様のiPhoneを作るとなると、これまでよりもコストがかかってしまう。
なかなか難しいところである。
今後、日本で新型iPhoneでLTEが使えるようになるには、周波数やコストなどの問題をクリアしなければならない。
LTE次第でドコモの動きが変わるなんて話もあるので、
「新型iPhoneがどうなるか」
今後もAppleの動きからは目が離せないわけだ。