iPhoneアプリの価格が円安によって、以下の通り値上げになった。
85円→100円
170円→200円
250円→300円
給料がなかなか上がらない人からすると少し残念な感じだ。
とはいえ、これから輸入品の価格はますます上がり、政府の政策で物価が上がっていくので全体的な物の値段は上がっていく。
それを好景気の前触れだと政府では考えているようだが、はたしてそう上手くいくものだろうか。
今の経済学で単純に考えてみよう。
①企業の売上が増える
↓
②働く人の給料が増える
↓
③消費が増える
↓
④物価が上昇する
これに対して、日本銀行が物価上昇の目標を立てて物価を上げ、逆の循環を作って景気を上向けようというのが今の政策である。
見てわかるとおり、そのためには②と③が必要で、それなくして成立する話ではない。
つまり、企業が全体的に昇給させ、その昇給分で消費者が消費するという流れができなければ、政府の考える景気対策は意味がないのである。
時間がかかるとはいえ、現状はどう考えても②と③が足りていないと思う。
企業が昇給しなければ③はありえないので、単に物の値段が上がっただけでは、景気は上向かない。
おそらく、今の経済政策が続けばアプリの値段はまだまだ上がるのだが、一般の人が「今買わずしていつ買うの?!」と焦るようになるのは、当分先の話になると思われる。
そうなると、気づいたら給料は上がらず、物価も高くてアプリを手に入れにくい状態。
そんなこともありうる。
いわゆる「スタグフレーション」ってやつである。iPhoneのアプリくらいならかわいいものだが、全体的な価値がそうなるとなかなか大変だ。
アベノミクスは残念ながらその危険を横目に進んでいる。
日銀さん大丈夫? 「日本はスタグフレーションです」
と、ここまでの話はごく一般的な話だが、もっと本当のところを書いておくと、最近の経済学の考え方自体が間違っていると筆者は思う。
自然の価値を認めた正しい経済学を得ている人からすれば、この満腹な社会に「経済!経済!」を連呼するのは、おかしいのである。
すでに物質に満たされている社会で不満足を唱える。
その心理状況を正さない限り、どれだけ物が豊かになっても人々に幸せはやってこない。
つまり、今の日本が不景気だという考え方が間違っているのだ。
どこにこんな豊かな国があるだろうか?
少し考えれば、すぐに答えはでるはずである。
そう、こんな幸せな国は数少ない。
幸せを数えられない人には分からないのかもしれないが、確かな事実なのである。
もちろん、給料も大事なことだが、それよりも大事なのは、
「既にたくさんの恵みや豊さがある。」
このことに気づくことだろう。
そこを認めることから出発しないかぎり、アベノミクスで見た目の経済がどれだけ豊かになっても、何も効果がないのである。