IT関係のニュースでセキュリティの話ほど筆者の興味を引くものはない。ちょっとした油断が大きな損害を招くため、知らなかったでは後の祭りだからだ。

最近では、iPadやiPhoneのパスコードロックを「他人が解除できる方法」が発見されて、騒ぎになっている。

当サイトでも念のため掲載しておこうと思う。

パスコードロックについて

iPod touchやiPhone、iPadを使いこなしている人で「パスコードロック」設定しておくことは、当たり前になっていると思う。

最近では最初の設定時に端末側から設定を確認するシステムになっているので、知らない人は少ないはずだ。

現代は友人の連絡先など、数多くの個人情報を端末に入れて持ち歩いている時代である。その重要端末にパスコードを設定しておかないのは、家のカギを閉めないのと同じことだ。

重要なデータを扱えば扱うほど、パスコードなしの設定にしておくことはできないと思う。

最初は若干面倒に感じるかもしれないが、慣れればなんてことはない。

ただ、毎回入力するのは迅速な操作に支障が出るからと、設定していない人も中にはいるかもしれない。

そういう場合は、時間経過でロックされる設定にしておけばよい。

既に設定している人が多いと思うが、念のためやり方を書いておくと以下のとおりだ。

「設定」→「一般」→「パスコードロック」(すでに設定済みの場合はパスコードを入力する必要あり)→「パスコードを要求」で何分後にロックするかを決めておく

筆者のように起動するたびに入力するのが面倒という人は、せめてこの設定くらいをしておこう。

1分後や5分後にしておけば、安全性は即時の設定とほとんど変わらない。15分後でも落としたときなどに役立つはずだ。

もちろん、10回間違えばデータがリセットされるようにしておく設定も必須といえる。(上記画面の「データを消去」の部分)

Siriによるセキュリティの問題

この度、騒ぎになっているのは、Siriによる音声認識とパスコードロックの問題である。

Source: Apple Inc

この音声認識のSiriは日本語に対応していないので、日本では使っていない人のほうが多いと思う。ただ、英語版などで使用している人も中にはいるだろう。

筆者もSiriに拙い英語で話しかけ、その精度の高さや今後の可能性について驚嘆したものである。

しかし、このSiriの設定を何もいじらずに使っているとあることに気づく。

そう、先ほどのパスコードロックがかかっている状態でもSiriを起動できてしまうことだ。

筆者はまだ試していないが、どうやらパスコードロックがかかった状態でも、電子メールを書いたり、テキストメッセージを送信したりできるとのことだ。(参考記事:sophos.com

ロック時に全ての機能を実行できるというわけではないようだが、電子メールなど一部の悪用可能な操作が使えるらしい。騒ぎになるのも無理はない。

不安な人は、さきほどのパスコードロック設定画面で「Siri」のパスコードロック時の起動をオフにしておけば、ロック時には起動しないように設定できる。

まぁ、基本設定がこの設定になっていれば、騒ぎになることはなかったと思う。

今後、楽しみで素晴らしい機能なだけに、セキュリティ面での不安は出来る限り減らしたい。

ただ、利便性とのバランスも難しいところである。

iPadのカバーロック

その他、パスコードロックに関連して、iPadのパスコードロックを「カバー」で解除できてしまう話も目にした。

iPad 2用の専用保護カバー「iPad Smart Cover」を使っている人は少し注意が必要だ。

このカバーは、ボタンを押さなくても、カバーを開け閉めするだけでiPad 2の起動ができる「優れものカバー」である。

しかし、パスコードロックを解除できてしまうらしい。(追記:iOS5.0.1で修正済み)
以下に9To5Macの動画を掲載しておこう。

バグはいつでもあるものだが、セキュリティ面のバグは避けるべきところである。

こちらもすべての操作が可能になるわけではないのだが、一部機能が使えることで何が起きるか分からない。

不安な人は「設定」→「一般」→「iPadカバーによるロック/ロック解除」をオフにしておくと防ぐことができるそうだ。

セキュリティ面での強化は、各人の意識を強めることがなによりの対策である。

防げるものは、Appleからの対策が出るまで各人でカギをかけておこう。