「一日に数冊、いや数十冊の本を読破できる。」
そんな謳い文句で速読に興味引かれた筆者。速読関係の本は、山ほど読んだものだ。それで、結果はどうだったかというと、以前に比べて10倍は速く読めるようになったと思う。
10倍の速読ができるようになったにもかかわらず、本を読んだ内容の理解度がそれほど落ちていない。むしろ、上がっているようにすら感じる。普通に考えると、ゆっくり読めば理解度が高くなる気もするが、人間の頭はそう単純にはできていないようだ。
もちろん、熟読と速読は使い分ける必要がある。なんでもかんでも速読して良いものではない。
たとえば、小説を速読しても面白くないだろうし、難解な本は速読だけで理解できるものではない。
つまり、速読は、難解な用語が使われておらず、時間をかけずに読みたい本や意味の理解できる本で行うのがおすすめである。難解な本に関しては、ざっと速読して、その後に熟読すると一層理解が深まると思う。
さて、数ある速読本で筆者がおすすめしたいのは、以下の2冊。同じ速読でもジャンル違いの2冊だ。どちらがよいかはあえて触れない。
まず、栗田式のSRSと称する速読法で「栗田式仕事力を10倍高める速読トレーニング」
著者によるとこの速読術で「音の読書から光の読書に変わる」という。なんとも、最初は半信半疑だと思う。
しかし、しばらく練習してみると、その「光の読書」の感じがなんとなく掴めてくる。本の内容を理解しながら、光(イメージ)の読書ができるようになるわけだ。
少し慣れると、この感覚が心地よくなる。
次に、フォトリーディング関係の本でおすすめなのが「王様の速読術
「フォトリーディング」は内容の理解というよりも、ザーッと読んで肝が分かるといった感じ。「この本のポイントはここだ!」というのが速読で分かるようになる。
なかなか分かりやすいので、詳しくは、ぜひ本を読んでもらいたい。
これら2つの速読法、完全にマスターしようと思うとハードルが高いが、そのうちの何割かを掴むだけでも読書速度は劇的に変わってくる。きっと毎日の読書が楽しく、ウキウキしてくるはずである。
ちなみに、筆者は、よっぽど気に入った本しか家に置かない(買わない)ことにしている。新書も読むのだが、立ち読みして8割程度内容の分かる本は買わないと決めているのだ。
最近のビジネス書のようなものは、パラパラと読めば内容が分かってしまうほど文字数が少ないため、買うだけ無駄だということもある。何度も読む本ならまだしも、読み捨てにするような本を買っても邪魔になるだけだと思う。
SRSやフォトリーディングなどの速読術を学んでおくと、そのような「買うべき本」と「買わないほうがよい本」の区別もつくようになるはずである。